2023年3月よりパシフィックフィルハーモニア東京クリエイティヴ・ディレクターに就任致しました「湯山玲子」です。
著述家、プロデューサー、ファッションデザイナー、テレビコメンテーターなど、多くの仕事に携わってきていますが、2011年から始めている、クラシック音楽の新しい聴き方を提案するプロジェクト《爆クラ》と、関連のコンサートプロデュースも含め、気がついてみれば、クラシック音楽と関わる比重が大変大きくなってきています。そんな節目に今回のお話しがあり、就任を励みとして、オーケストラを中心とした新しい試みに挑んでみたいと思っています。
さて、YouTubeとSNSがコミュニケーションに大革命を起こしている現在、クラシック音楽にも大変化が起きています。かつては、ファンでなければ知り得なかった膨大な曲や演奏家の表現に、誰もが簡単にアクセスできる、そんな時代が今。
電子音楽に親しんできている世代ならでは現代音楽への共感、フェスやクラブ体験から彼らが得ている、時間と空間に対する聴覚センスなどなど、そして、何よりも、クラシック音楽と歌舞伎とヒップホップバトルとバンクシー等々の強度と魅力溢れるコンテンツを、分け隔てなく取り込もうとする、オタクでも、推しファンでもない成熟した観客たちは、まさに、今とこれからの時代のクラシック文化をつくっていく存在になっていくはずです。
エンターテイメントという言葉は、日本においては、表層的でわかりやすいゆえに画一的なものというイメージがあり、それゆえ、クラシックの世界ではあまりいい意味で使われることはありませんが、そんなイメージを覆すような、クリエイティヴで時代性のあるコンサート企画ほかを、オーケストラを軸に実現していきたいと思っています。
湯山玲子
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爆クラ